新エピソード『祭囃子に誘われて』です。
4回連載の短篇です。
今後の創作の参考になりますので、感想などいただけると嬉しいです。
それでは・・・
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ちびっこ天国の前に飾られていた七夕飾りも片付けられ、例年になく梅雨明けが早そうな7月のある日。
「和尚いるかい。」シバッタが汗を、柴田興業とネームがはいった水色のフェイスタオルで、拭きながらはいってきた。
「社長は主任と一緒に外回りに出ています。」と留守番のアッキーが答える。
言葉使いが随分まともになったきたようだ・・・身内以外に対しては。
「主任とはカヲル君も出世したもんだな。
アッキーのお陰だな。
ところで今年の白姫まつりは8月2日と3日なんだが、うちの商店街ではどうするか相談したいんだ。
7時に休憩所で会議やるから、必ず来るように伝えておいてくれ。」
「判りました。」
「ところで、アッキー。
メガネも似合うねー、伊達かい。」
「伊達じゃありません。」
アッキーは事務所で受験勉強をしながら留守番するときは、フレームがやや太い黒縁のメガネを掛け始めていた。
結構、アイテムひとつで理知的に見えるものだと、みんな感心していた。
7時、休憩所にホワイトクリーニングのクリちゃんを除いて商店街の全員が集合し、ジャネットは迷惑顔だった。
「おや、クリのやつはどうしたんだい。」と和尚が尋ねる。
「仕事が終わらなくて忙しいから、来れないそうだ。
繁盛してるのはホワイトクリーニングだけかね。」とシバッタが毒づく。
「お前さんのところも含めてね。」とジャネットが茶々を入れた。
「まあ、そのことは置いといて、白姫まつりのことなんだけど。
前の通りは例年通り1時から9時まで車両通行止めになるから、またみんなで露店を出して雰囲気盛り上げたいと思う。
それぞれ何が出来そうか、発表してくれないか。」
「ハイ♪うちは去年と同じで、ビニールプールでヨーヨー釣りやります。」
と、ちびっこ天国のかあさんこと高井百合が真っ先に手を上げた。
五十絡みのNPOの肝っ玉かあさんで、肝も体格も太い。
「じゃあうちも同じで金魚すくいをやります。」
と、つぎはペットショップ『ラブリー』の店長、木下彩。
三十代の雇われ店長だが、明るくて積極的なのが好感されている。
「専門分野だからな。
長持ちするやつの方がいいぜ。
餌でも稼げるからな。」
和尚が余計なことを言うと、
「うちはその日に買ってくる新鮮な餌金です。」
「あっ、はじめから餌か。ハハハ」
「うちも同じであてくじやらせてもらいます。
すいません。」と駄菓子昭和堂の富山ハル。
もうかなりの歳だがボケ防止で駄菓子屋をやっている。
『すいません』が口癖だ。
万引きされないか心配で、いつもひ孫の小学生、透が遊びに来ている。
「じゃあ俺たちも焼きソバやるか。」と和尚。
「えっ、あたいもやるの。」とアッキー。
「当たり前だろ、韋駄天の一員なんだから。」とカヲル。
「じゃ、ゆかた着て出かける暇ないじゃん。」
「しょーがねーなー、じゃ焼きソバは7時まででいいよ。
あと2時間遊びに行ってきな。」と和尚。
「はい♪」
「そんな時だけ返事がいいな。」
その他、ハタ坊とワンで射的、五郎六郎の兄弟がビールとソフトドリンク。
クイックキッチンが焼き鳥を焼くことになった。
カキ氷は向かいのパチンコ銀次郎が毎年やっていた。
シバッタが最後に
「じゃ、それぞれ当日までに準備万端、怠りなくやってください。
それから当日はみんな店の方は手薄になるから、貴重品は身に付けるように。
何年か前に、祭りの時にドロボーにあったからな。」
「そりゃ、お前さんが見回りするべきだね。」とジャネットの突っ込みがはいる。
「はいはい、俺は神酒処にも顔を出さなくちゃならないが、空いてる時間はなるべくやるようにするよ。
そうだ、和尚は町会の方から、また神輿の世話人を頼むって言って来ているので、面倒みてやってくれ。」
「世話人って言やあ聞こえはいいが、要はトラブル処理係だろ。」
「うってつけだからな、俺の面子をたてて頼むよ。」
「しょーがねーなー。」
なんだかんだと言っては毎年同じことをやり、来る人も同じように楽しんでいく、変わらぬ事に安堵する世界がそこにあった。
ぶら小路商店街始末記 はじめから
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- 2008/08/25(月) 09:52:02|
- 小説『ぶら小路商店街始末記』|
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コメント:2
ご指摘ありがとうございます。
自分ではあまり感じなかったのですけど、この節内でそんなに振れてますか。
それとも前の章との比較でしょうか。
記号の使用はブログという媒体では許されるのではないかと考えていました。
今後、使用は慎重にします。
- 2008/08/26(火) 00:46:54 |
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- 銀遊私人 #-
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